スタートアップ・ベンチャー企業に税理士は必要?依頼できる業務や費用を解説
「スタートアップに税理士は必要なの?」
「スタートアップで税理士に頼みたいけどどれくらい費用がかかるの?」
このようなお悩みを持っている方もいらっしゃるでしょう。
結論をいうと、スタートアップで税理士に依頼するのは、良い面・悪い面があり、会社の規模や状況によって異なります。
そこで、「スタートアップで税理士に依頼するのは必要なのか」について解説します。他にも、税理士に依頼する際の業務内容や費用についても詳しくご紹介します。
- 1. スタートアップ・ベンチャー企業に税理士は必要?
- 1.1. 税務や会計の処理に時間や労力をかけたくない場合
- 1.2. 社内で経理処理できる人がいない場合
- 2. スタートアップ時に税理士に依頼できる5つの業務
- 2.1. 税理士に依頼できる業務
- 2.2. 会社設立時の開業サポート
- 2.3. 経理業務の代行
- 2.4. 節税対策へのアドバイス
- 2.5. 税務関係の手続き書類の作成・届出
- 2.6. 融資等の資金繰りのアドバイス
- 3. スタートアップに税理士を雇うメリット・デメリット
- 3.1. スタートアップに税理士を雇う3つのメリット
- 3.1.1. 本業に集中できる
- 3.1.2. 無駄な税金を払わなくて済む
- 3.1.3. 資金繰りなどのサポートを受けられる
- 3.2. スタートアップに税理士を雇う3つのデメリット
- 3.2.1. 会社設立時の事務作業における費用
- 3.2.2. 顧問契約を結ぶための費用
- 3.2.3. 決算時やサービス内容によっては、顧問契約以上の費用がかかる
- 4. スタートアップ支援に強い税理士を見極める3つのポイント
- 4.1. スタートアップの経験が豊富
- 4.2. 情報収集や提案力に長けている
- 4.3. レスポンスが早い
- 5. まとめ
スタートアップ・ベンチャー企業に税理士は必要?
結論として、スタートアップ・ベンチャー企業には、状況に応じて「税理士は必要かどうか」を判断することをお勧めします。
では、一体どのような状況の場合に判断するべきでしょうか。どのような状況の時に税理士を依頼したら良いかを解説します。
税務や会計の処理に時間や労力をかけたくない場合
スタートアップから本業に集中し、税務や会計の処理に時間や労力をかけたくない場合は、税理士に依頼した方が良いでしょう。
スタートアップ時期は、書類の作成や提出、その他事務業務に追われてしまうため、本業に力を入れられない場面が出てきます。会社設立時期は、何かと提出書類が必要です。
【スタートアップ時の提出書類】
- 登記申請書
- 登録免許税納付用台紙
- 定款
- 設立時の取締役就任承諾書
- 印鑑証明書
- 本人確認書類
- 資本金の払込を証明できる書類
会社設立には多くの書類を用意しなければならないため、時間がかかります。
スタートダッシュで本業に力を入れたい方や、本業が忙しくて手が回らない方は、設立時に事務的な処理を税理士に頼んだ方が良いでしょう。
社内で経理処理できる人がいない場合
社内で経理の処理作業ができる人がいない場合は、税理士に頼むのが良いでしょう。会社を経営するうえで外せないのが、経理的な処理です。
多くの企業では経理専門スタッフがいて、経理業務を任せています。
しかし、少人数で経営を始めたばかりのベンチャー企業では、経理担当を置いていないこともあります。経理処理を税理士に任せることで、経理担当者を雇うよりコスト削減にもつながります。
また、税理士に経理業務を任せることによって、税務的なアドバイスももらえるといったメリットも出てきます。
スタートアップ時に税理士に依頼できる5つの業務
続いて、スタートアップ時に税理士に依頼できる業務を5つご紹介します。
税理士に依頼できる業務
税理士に依頼できる業務は以下の5つです。
スタートアップ時は通常以外の業務も多いため、税理士に依頼することで手間を省くことができます。
会社設立時の開業サポート
会社設立時における開業業務を、税理士に依頼できます。先に紹介した通り、会社設立時には多くの設立作業が必要です。
設立時には、会社を設立する時の規則を書いた定款を作成したり、法人として登録するために法務局へ書類を提出したり事務的作業が多くかかります。他にも税務署や年金事務所に提出する書類を作成する作業もあります。
会社設立時には専門的な作業も必要なため、事務的な作業を税理士に任せることで手間が省けます。
次は、「定額減税」が行われる方法とタイミングについて解説します。「定額減税」は2024年の6月より順次開始されます。
経理業務の代行
会社経営において、必要とされる作業の一つとして経理業務があります。経理業務は、年間を通して毎月の記帳が必要です。
経理担当者を雇うことも一つの方法ですが、人件費などを考えるとコストがかかってしまいます。税理士に経理業務の代行を依頼することで、人件費を削減できるメリットがあります。
経理業務は、専門的な知識も含まれるため、税理士に任せることで、経営者は安心して本業に力を注げられます。
節税対策へのアドバイス
また、スタートアップ時から税理士に任せることで、早い段階で節税への対策を取ることができます。
税金の節約は、経営者にとって重要な課題であり専門的な知識も必要となるため、経営者だけで判断するのは難しい点があります。税理士に業務を依頼することで、節税対策はもちろん、経営的な面でもアドバイスがもらえます。
スタートアップから税理士に頼むことで、節税への対策やアドバイスなども聞くことができるのでおすすめです。
税務関係の手続き書類の作成・届出
会社経営では、決算期は申告書などを作成しなければならないため、税法などの知識がないと難しい面もあります。
インターネットの普及により、誰でも税について調べられる環境が出来上がってきていますが、複雑な点もあるため、より詳しい税理士に相談することで解決できます。
税金に関する知識により詳しい税理士に、税務関係の書類作成や提出を依頼することで、安心して経営に取り組めます。
融資等の資金繰りのアドバイス
スタートアップから税理士に経理業務を依頼することで、融資などの資金繰りアドバイスを聞くことができます。
会社を経営する上で、資金を調達する場面や補助金などを利用する場面が出てくることもあります。経営の効率化や経営状況をよくするために税理士に相談することが大切です。
税理士に相談することで、融資のアドバイスなどより良い会社経営ができます。
スタートアップに税理士を雇うメリット・デメリット
スタートアップに税理士を雇う3つのメリット
スタートアップに税理士を雇う場合の3つのメリットについて解説します。
スタートアップ時点で税理士に頼むことは、経営の効率化を計ることができ、より良い収益を求められます。
本業に集中できる
スタートアップ時から会社の経理業務を税理士に頼むことで、経営者は本業に集中できます。
会社経営では、本業とは別に経理的な業務が必要です。本業との両立を考えると時間や手間も取られてしまうため、効率が良くありません。
税理士に経理業務を任せることにより、本業と経営だけに集中できるのでおすすめです。
無駄な税金を払わなくて済む
スタートアップ時から税理士に経理業務を任せることで、無駄な税金を払う必要がなくなります。
税金は、専門的な知識が必要であり、複雑になっています。税法は改正も多いので、新しい情報も日々更新されていきます。専門知識を持っている税理士に依頼することで、節税のアドバイスを聞くことができます。
決算時期には、税務署に提出する書類や申告書を作成しなくてはなりません。税理士に決算業務を依頼することも可能なので、節税対策に取り組むことができます。
資金繰りなどのサポートを受けられる
スタートアップから税理士を雇うことで、資金繰等のサポートを受けられるメリットがあります。
会社経営では、新しい事業展開などで、資金繰りや資金を調達しなければならない場面も出てきます。より良い経営をしていくためにも、税理士に相談しながら資金調達をしていくことが大切です。
スタートアップから税理士と契約しておくと、経営についてのサポートを受けることができるのでおすすめです。
スタートアップに税理士を雇う3つのデメリット
税理士を雇うデメリットは、主に顧問契約を結ぶことになるため一定の費用がかかることです。
スタートアップから税理士と契約するデメリットは次の3点です。
会社設立時の事務作業における費用
スタートアップから税理士に業務を依頼する際には、設立関係の事務的な作業に費用がかかります。会社設立には事務的な作業が増えるため、税理士に依頼すると費用がかかってしまうのです。
税理士に依頼する際にかかる費用は、会社の種類によって相場の違いがあるので、事前に調べておくことをおすすめします。
顧問契約を結ぶための費用
税理士に一連の経理業務を依頼すると、顧問契約を結ぶので一定額の費用が必要になります。税理士と顧問契約を結ぶことで、記帳代行や税務に対する申告書の作成・税務調査への対応など、税務に関することをほぼ任せることができる一方で、毎月の報酬料が発生します。
経営規模が大きい会社にとっては、税理士を雇うことはメリットとなる部分が多いですが、小規模で経営をしている中小企業にとっては、費用がかさむといったメリットも出てきます。
決算時やサービス内容によっては、顧問契約以上の費用がかかる
税理士と顧問契約を結ぶことで、決算時には報酬以上の費用がかかります。
決算時には、納めるべき税金の計算や申告書の作成など、普段の業務以上の作業が必要です。そのため、毎月の報酬料とは別に費用がかかるため、注意しなければなりません。
その他、税務に関するコンサルティングや税務調査の立会いなど、サービス内容によって追加費用がかかることもあります。
スタートアップ支援に強い税理士を見極める3つのポイント
スタートアップ時期のタイミングによる、税理士に業務依頼するメリットやデメリットについて解説してきました。メリットやデメリットを考慮した上で依頼したいと考えている人もいらっしゃることでしょう。
では、スタートアップ支援に力を入れている税理士を見極めるための3つのポイントをご紹介します。スタートアップ支援に強い税理士を見極めるポイントを抑えて、ご自分にあった税理士を探すきっかけを見つけてください。
スタートアップの経験が豊富
スタートアップ経験値が高い税理士を選ぶことを意識してみましょう。
税理士でも、得意な分野と不得意な分野に分かれているため、スタートアップ支援に力を入れている税理士を選ぶことが大切です。
情報収集や提案力に長けている
業界の情報収集や提案力に長けている税理士を選ぶようにしましょう。税務知識だけでなく、業界に得意な税理士を選ぶことで、的確なアドバイスをもらえるようになります。
会社経営者にとって、経営者が孤独を感じ、重要な内容を決定しなければならない場面も出てくる中、アドバイスをもらえる税理士がいることは心強いことです。
業界の知識が豊富なのはもちろんですが、相性の良い税理士を探すことが大切になります。
レスポンスが早い
レスポンスが早い税理士を選ぶことが大切になります。
スタートアップ時期は、期限内に書類を提出しなければならないこともあり、次々と業務をこなさなくてはなりません。
事務的な作業でわからないことが出てきた時に、すぐに答えが出ないとストレスが溜まることもあるでしょう。できるだけ迅速に対応してくれる税理士を選ぶようにしましょう。
そのためには、普段からコミュニケーションをしっかりとり、経営者の意志を伝えることが大切です。
まとめ
スタートアップ時期は、状況に応じて税理士に依頼するかを判断しましょう。
スタートアップでは、会社の設立に関する業務が多く面倒だと感じることも出てきます。そのような場合は、税理士に依頼することをおすすめします。
選び方のポイントは、スタートアップ業務に強い点や税務や経営のアドバイスをしてくれる点、などを中心に探してみましょう。